2011年3月18日金曜日

素直になって

こんな形でブログを再開するなんて想像もしなかった。

3月11日のあの悪夢の日までは、スイスからアルダさんフィンランドからヘンリック、イギリスからマヤとルーバを迎え、キッサナーは結局3月26日まで我が家に居ることになり、確定申告だ何だと日常の忙しさに不満を言っていた自分が恥ずかしい。

この地震で、アルダさんは4月14日までの滞在を切り上げ15日頃帰国して行った。3月末に我が家に来るはずだったレベッカは日本に入国した次の日に東京で地震にあい、母国のお父さんから早く帰ってくるように懇願され、やはり16日頃大阪からシンガポールに出国した。
ルーバもとても悩んだろうけれど、今月末までの滞在を取りやめ17日マレーシアに出国。マヤは3月31日成田からマレーシアに出発予定だったけれど、北上するのを取りやめ、明日再び我が家に戻って来て、我が家でしばらく様子を見極めることになった。
キッサナーは既に航空券は持っているので、いざとなったらいつでも福岡空港から帰国できる。

このように我が家では、海外で日本の原発事故をどのように見ているか肌で感じることができた。
ヨーロッパ特にドイツでは、事故当初から最悪の事態を想定して、自国民に注意喚起している。
その時我が家では日本地図を広げ、福島原発から半径600キロの円(レベル7規模の事故が起きたチェルノブイリ原発事故の際の高濃度放射線汚染区域 癌などの健康被害を併発する)を描き確認した。だから3月15日に静岡(浜岡原発がある)でマグニチュード6の地震がおこった時は、我が家も危ないと感じた。

ドイツのみならず、殆どの国で事故当初からレベル5から6の事故であると想定されていた。それが今は最悪のレベル7の状態である。
きょう日本の原子力委員会がレベル4からレベル5に引き上げたと言ったが、私はこれを聞いて悲しくなった。

◎福島原発から30キロ以内の住民は退避勧告が出ているが、諸外国は半径80キロ以内から退避するように自国民に勧告している。

◎福島原発は建設された1971年当初から原子炉格納庫の稀弱性が指摘されていた。この福島と同じ格納庫は現在世界に35基ある。

◎今一番問題になっている3号炉では、MOX燃料と言ってこれまでの原子力発電には使われていなかった燃料が使われており、これが漏れ出すと、今までの原発事故では考えられ無かった被害がある。このことには日本のメディアは触れていない。

◎直ちに健康に影響を及ぼすレベルではない放射線量とはいったいどんな状態なのか。直ちに健康に影響を及ぼす放射線量とは、私には死を想像させる。そして前述のような表現は、将来健康被害が懸念されるということをオブラートに包んでいるような気がする。

◎東京電力は想定外の地震の為、今回のような事故に繋がったというが、明治時代の記録には高さ35メートルの津波が記録されているという。今日も九州電力玄海原子力発電所の発表は、玄海原子力発電所は地盤も強固で高さ13メートルの上に建設されているから大丈夫みたいな会見をしているが、あまりの危機管理の甘さにあきれた。

◎地震直後アメリカ政府から支援を申し出られていたが、それはすぐに炉に海水を注入して廃炉する計画だったので、東電が拒否した。どうして廃炉じゃいけないの。命と原発とどっちが大事なの!

◎今地上と空から海水を炉に投入する計画が進められているが、これもアメリカ政府から「日本人にはまだ出来ることがあるのにどうして
やらないんだ」と尻を叩かれてやってるらしいです。我が家にはテレビが無いので、実家の弟に聞いたら「最悪の事態をさけるため、いざとなったら東電の職員が命がけで対応する。」といっていたと言いますが、そのタイミングは既に過ぎていると思われてなりません。

◎でも私は実際現場で働いている東電の職員の人を攻めることは出来ません。それは初期段階で廃炉を選択できなかった東電の経営方針にあります。それに管首相あなたが福島原発の視察など言い出さなかったら、職員の人はもっと事故の対応に集中できたかもしれない。
だいたい一生懸命やってる人にむかって叱責するだなんて。なんか昔読んだ本を思い出した。何とか言う軍艦の話だったな。「ケイン号の反乱」とかいうの。どうしようもない指揮官の首をすげ替えるかどうかっていう組織論の話だった。
でも、そんな日本の現状を選択してきたのは、だれでもない国民(私)自身なんだ。

◎各国から支援部隊が来てくれていますが、もし最悪の事態になれば、それは日本だけではなく地球規模の問題になるからです。日本支援のためと日本のメディアは言っていますが、違うと思います。またアメリカやフランスの部隊は、最悪の事態がおこった場合、被爆した地域の復興をどうしていくかを検討するため、現在事前調査をしているという状態だそうです。
福島の原発事故がレベル5の状態で収束してくれることを心から願っています。でも収束した後日本は世界から手厳しい批判を受けることを覚悟しておかなければいけないでしょう。

日本政府は、原発事故の危険性を指摘する科学者を排除しているような気がしてなりません。
確かに国民がパニックになるのはさけなければなりませんが、どうか本当のことを話して欲しいです。
そして、日本が本当に強い国なら、海外から賞賛されるすばらしい国民性を持っている国なら、国民はパニックにならず、冷静にその現実を受け入れ、対処していけるはずです。

明日九州でマグニチュード9の地震が無いとはだれも保証できません。日本には今54基の原発があります。
佐賀の玄海原子力発電所では、MOX燃料が使われています。

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