2013年2月27日水曜日

認知症 ひどいのはどっち?

年を取ると夜眠れなくて睡眠導入剤を使っている人は結構います。

母もそうなので、在宅になった今、お薬をもらうために主治医を決めなくてはなりません。

そこで先日病院受診してきました。

熊本大学医学部では、認知症疾患医療センターを設立し、熊本県の支援を受け、県内9つの病院と連携して、認知症についての医療と介護の連携強化,ならびにその質の改善に関する研究を行っているそうです。

その研究に資するため、認知症関連受診をした母には、御覧のような「火の国あんしん受診手帳」が配布され、協力が依頼されました。

平成24年の11月くらいから始まったようで、取りあえず1,000人分のサンプルを摂る事を目標としておられるようです。
我が家としては、母のこれからの記録が何かのお役に立てばと、快くお引き受けしました。

認知度を確認するために、長谷川式?の確認テストも受けました。
テストの結果、まだ認知症というほどではありませんね。と言う事でしたが、しかし。
母がこのテストを受けるのは、今回で5回目。テスト慣れって無いんですかね?(笑)
まあ慣れるってことは、認知症の度合いは低いってことですか(笑)

いまテレビで樹木希林さんがおばあちゃんの役で出て来て、「先生の前ではしっかりしてるんですよ〜」と息子さんらしき人が話した後「日常の記録をつけて、受診時に持参しましょう」なんて広告がありますよね。

あれと同じでした。(大爆笑)
初めて診察したお医者さんに「いえ実は、、、。」なんて長々と日常を説明するような大人げない事はしませんでした。だって、それさえも本当の事ではないかもしれないし、取りあえず今は、とても困っているという事はありませんし、たった一度の診察で薬の量が増えるのもいやですから。

でも受診が終わった後、母がいかに「今日はしっかりしなくちゃ」と興奮していたかがわかるような事実を見たりすると、「お母さ〜ん、いつものお母さんでいいのに。こんなに頑張って、血圧あがりすぎて血管切れたらどうするの〜。」

今母がどのような状態にあるのか、今の母のQOLを高めるには、家族はどうしてあげたらいいのか?それを知るためにもいつものお母さんでいてほしかったな〜。
今介護記録はつけていますが、より事実を正確に記録するために、今度からビデオか音声で撮っておこうかな?何て思う今日この頃です。

で、タイトルの「認知症、ひどいのはどっち?」ですが、
実は昨日から車のキーがみつから無くて、家中、納屋も、畑も思いつくところ全て探したのですが見つからず、「しょうがないスペアーキー作ろうか?」というので
私:「ちょっと待って、もう少し探そうよ。」
「あなたの探すは、あてにならんもん。いっつもちょこっと見回しただけで、無い無いって言うし。」
「でもおかしいね〜。いつも置いた所忘れて、メガネが無い、携帯が無い、鍵が無いって大騒ぎするのは私の方なのにね〜。あなたにしては珍しいよね〜。」

と私が言った後、
主人:「ゴメン悪いけど、あなたのバック見せてくれん?」
私:「探す所なくて、そこまで疑いますか? いいですよ。これが23、24日使っていたバック。」
と差し出した数秒後、
主人:「これは何ですかね〜。」「昨日から鍵探しに当てた時間無駄にした。」
私:「、、、、絶句」

私が車で出かけるのに、荷物を運ぶのに手近にあった主人の鍵を使い、そのまま私のバックに入れ、運転は自分の鍵でしたため、すっかりその事を忘れていたのでした。

即座に主人に土下座して(といってもリビングですから絨毯の上ですが 笑)謝りました。
ふ〜 鍵だから良かったけど、これが台所の火だったらと背筋が寒くなりました。

でも主人も母が在宅になった当初、暫くは毎朝「お母さんの食前の薬はどれか?飲ました?」と随分聞かれました。(母には、朝食前に飲む薬はありません!強調)あまりに毎日聞かれるので、「病院行く?」と聞き返したものです。こんな夫婦とお母さんの3人家族。来年が恐ろしいです。

我が家の居宅介護体制(その4 その他)

通院など車椅子の母でも出かける用事は結構ある。
それで、障害者用駐車スペースを使えるように、ハートフルパスを申請した。
最寄りの保健所に行って、介護保険証を提示し、簡単な申請書を提出するだけですぐ交付してもらえた。
九州県内は、このパスでどこの県でも使わせてくれるらしい。
でも、県によって要介護2からしか交付しないとか、要件に違いがあって、何で?って疑問も感じますが。ちなみに熊本県は要支援でも交付してもらえるらしい。
私が保健所に申請に行き、要介護3の介護保険証を提示しているのに、2回も『申請者さんご本人ですか?」と聞かれた。眼が点になった。

二回目に聞かれたときは、申請書を書きながら思わず「要介護3の人があなたの前でこうして申請書を書けると思うんですか?」と、担当者の人に聞こえるくらいの声でつぶやいてしまった。
しかし、もしかしたら本当にそう見えたのかもしれない。
理由は、次の更新でわかるかも(爆)


車に乗るときは、高い方が、降りるときは低いステップの方がいいらしいです。
理学療法士のかたのアドバイスがありました。
たまたま、どちらの高さがいいかわからず、どちらも1,000円代で、ホームセンターで売っていったので、購入していました。
無駄にもならず、ラッキーでした。
どっちが降りる時で、どっちが乗る時?
わからなくなると行けないので、印を付けました。
記憶が怪しくなって来た夫婦ですので。(笑)

我が家の居宅介護体制(その3 確定申告)

確定申告まっただ中。今年は我が家の分と母の分と。特に母は入退院施設入所と医療費関係が重なったので、整理が大変です。

まあそれは整理すればできる事ですが、ここで「う〜ん、介護保険受給者への優遇措置とか、もう少し調べれば所得控除の対象経費がもっとあるんじゃないかな〜」と思っていたところ、菊池市の広報に「介護保険受給者の人は、申請すれば、障害者とか、特別障害者に見なされるという証明書」をだしてもらえるらしいお知らせが出ていました。早速高齢者介護の担当課に行って、申請、証明書をもらってきました。


母は二年前に夫を亡くし、一人暮らしでした。その頃までは、母の確定申告は母が自分でしていましたが、夫の死亡による寡婦控除の申請をしておらず、昨年順一が確定申告しなおした経緯があります。

また所得税の申告で既に納税額が無いからと、医療費控除の対象になる経費があっても、申告しない方がいるかも知れませんが、所得税と住民税は課税標準(税をかける算定基礎となる所得)を算出する控除額が違いますから、医療費の申告も忘れずにしておいた方がいいらしいです。
どうりで役場で医療費控除はありませんかと念を押される訳です。


高額介護療養費や高額医療費の自己負担限度額、入院中の食事療養費の減額などは、住民税の負担額をもとに決定される場合が多いのですが、確定申告についてのいろいろな知識が無いために、不利益な状態にある人もいるんではないでしょうか?

控除できるものがあれば、申告しておくにこした事はないですね。

菊池市では、住民税非課税世帯で、要介護3以上の人には、おむつ代の補助もあるとか。

財政基盤の弱い菊池市でも、このような補助があるのですから、ほかの市町村ではまだいろいろあるかも知れません。

面倒くさがらず、ちゃんと申告して、不慮の事態で不利益を被らないようにしたいものです。

2013年2月22日金曜日

我が家の居宅介護体制(その2 生活支援編)

部屋の用意ができましたので、今度は日常の生活を支援する様々な物、事をアレンジして、ケアプランを立てます。

電動ベット、ベッドサイドアーム、ポータブルトイレ、マットセンサー
ベッドサイドアームは、150度位回転するので、掴まりながら体を移動させる時に便利です。ケア友の敏子ちゃんのお薦めグッズです。(笑)

ポータブルトイレは、肘掛けが跳ね上げ式になっています。朝起きたばかりとか、介護度があがってくると、筋肉の硬縮があるので、立たずにベット上をお尻をずらしながらトイレまで移動できて、体に負担がかかりません。
それにしても今はポータブルトイレも凄い進化ですね。木製、暖熱便座から脱臭機能、ウォシュレット機能のついてる物まであります。また排泄物の臭いをとる脱臭材の威力の凄い事。24時間放置しても臭いに悩まされる事はほぼありません。
まあその分環境負荷は高いのだろうと思うのですが、背に腹は代えられません。
ただ母は、腎臓のトラブルがあったので、尿の状態をチェックする必要があり、おしっこの色がかわるような脱臭剤は使えないので、ちょっと割高なものを使っています。もっと安くていいのないかな〜と探しているところです。

マットセンサーは、寝ていた人が起き上がってマットに足を載せると反応して知らせてくれます。私の強い味方です。(笑)

ベットの柵には、手すりがつけられていますので、少しの移動なら大丈夫です。
洗顔や着替えはベット上でという案もありますが、できるだけ体を動かしてもらいたいのと、失禁でシーツが濡れるのを防ぐため、移動してもらっています。

歩行器や車椅子で移動、回転できるスペースを確保するためには、結構広い空間が必要です。この部屋は14平米くらいですが、一般の老人向け施設の独り部屋はだいたい18平米くらいですから、もう少しゆとりがほしい所です。



肘宛がついた歩行器で移動する母。
自立歩行はできないのですが、自分がそんなレベルになったという事を理解できていないので、ちょっと目を離したすきに、歩行器なしで伝い歩きしようとします。
転倒につながるリスクが一番高い瞬間です。

リビングから母の部屋まで直線で10mは移動できる空間を確保しました。
デイサービスの無い日は、ここで鬼嫁療法士のリハビリ特訓(笑)です。
ひなたぼっこする母。このコーナーをとても喜んでいます。
週に3回のデイサービスを受けています。
我が家のお風呂は北極のようなところですし、右足大腿骨に金属が入っていますので、私と順一で入浴させていた時に脱臼でもさせたら、また手術です。

母は出かけるのを嫌がりますが、こればかりはどうしても受け入れてもらわないと。
自宅の玄関まで送迎車を乗り入れられないので、車椅子で往復です。
運転手さん一人では、押し上げるのが大変なので、介護士さんがロープで引っ張ります。
毎回「ありがとうございま〜す。」と手を合わせてお礼してます。

そうそう、歳をとったら段差解消とすぐ思いますが、場合によってはスロープが転倒の原因になる事も。階段の幅、奥行きさえ十分にあれば、車椅子も30センチくらいの段差なら難なく乗り越えられます。
十分な開口部の幅と、引き戸は納得できますが、老後のために今のうちにスロープや手すりをつけてなんて先走って改装してしまうと、あとから二度手間になることもあるらしいですよ。

今お世話になっている事業所のお風呂は、温泉水です。菊池ならではですね。
母のお肌は、私よりつやつやです。
「あなたたちも一度入りに行ってみればいいのに」と勧められました。笑
事業所の送迎車は、ほかの利用者さんの事もあるので、リスクはおかせませんが、もし万が一の事が起こった時に備えて、車が乗り入れられるように車道を造ってます。
2月20日は、ケアマネージャーさんの自宅訪問でした。
このヒアリング時のやり取りで、母の心理があらわになった会話が、、、。
ふ〜〜〜〜。
介護保険制度ができたばかりの頃、私は福祉事務所で生活保護のケースワーカーをしていました。介護保険についてもいくつか講演会を聴きにいきましたが、ある講演会でお医者さんが、「家族は、本人がいかに体が楽になるかを考えて、ケアプランを考えがちだけれど、その考えを優先してばかりいると、被介護者の身体レベルは落ちる一方です。介護者の負担を減らし、なおかつ被介護者のレベルを向上あるいは維持するという目標でプランは作られなくてはいけません。」といわれました。

なかなか難しいですね。母にとって、きっと私は鬼嫁です。(笑)

さてこのところ、夜間動物の徘徊がすごいのか、パルとモリーが夜通し哭いて、あんまり眠れてません。昨夜もなきかたが酷いようなら、モリーはケージにいれて玄関の中に入れようと順一と話し、ケージを降ろしてモリーの小屋のそばにおいていました。そしたら嘘のように昨夜は一回も吠えませんでした。? そんなにケージは狭くて嫌いなのかな?笑
それともお疲れ気味の私に気を使ってくれた?

所用があって、23、24日と私が家を留守にします。
今までずっと私が母の身の回りの世話をしていて、順一は一度もした事がありません。
勤めていた時に引き継ぎ書を作ったように、母の介護の引き継ぎ書を作っています。笑
さあどうなるか楽しみです。
世の中では、実子介護という言葉が流行語のように使われていますが、居宅でそんな事絶対無理だと思います。家庭の状況はそれぞれですから、何とも言えませんが、家族みんなで助け合う、それがあたりまえ、そんな人間関係がいつの世でもできるといいですね。

我が家の居宅介護体制(その1 リフォーム編)

(年の始めの通信に書いて約束したので、気合いいれました。笑)

順一の母の急変には驚きましたが、精密検査を経て、特に問題は無いとの事で、2月5日無事自宅に帰ってきました。

腎盂癌の疑いもあったので、今年の正月は正月気分でもなく、施設はノロウイルスが侵入していて面会もままならず。本当に寂しいお正月でした。母も6月の入院からはや8ヶ月、病院や施設を渡り歩く生活で、精神的にも、、、、。

今まで環境の整ったところで生活していたので、木護での不便な生活よりも、施設の方がいいのではないかと、自宅か施設か随分迷いましたが、母のために一部屋リフォームして居宅介護することで、当分様子を見てみることにしました。

リフォームする部屋は、我が家でも一番いい部屋。四方に開口部があり、部屋からの眺めも日当り風通しも抜群です。
でも私たち夫婦2人では、特に使う予定もなく、また相当痛んでいたので、リフォーム費用もバカにならないので、そのままになっていた部屋です。いつもは畑仕事に行く時の更衣室とか道具置き場になっていました。


BEFORE
入り口のドアは5年ほど前、アルミドアから大工さん手作りの木製ドアに換えてありました。暖房効率を高めるためです。ですが開き戸ですので引き戸にする必要があります。
御覧のとおり、壁もぼろぼろです。
この家を購入したばかりのころは、コンクリート打ちっぱなしの床だったのですが、さすがに寒くて、下足部分をのぞいて床だけはフローリングにしてありました。
天井もこんな感じでした。部屋の広さは14平米くらいです。


AFTER
壁や天井の古い資材をはがし、断熱材を入れ、県産材のスギで貼りました。
断熱効果を高めるため、カーテンボックスも設置。窓もリフォーム窓になっています。


下足コンクリートむき出し部分は、床をあげ、県産材の檜で貼りました。
エコな生活とは反しますが、母のためにはどうしてもエアコンは必要でした。
昨年一昨年は氷点下10度を下回る厳しい寒さを経験しましたので、室外機は氷点下20度でも稼働できる寒冷地仕様のものです。
ドアも引き戸に、これまた大工さんに無理を言って、前の開き戸を引き戸に作り替えてもらいました。開口部はぎりぎり75センチは確保できました。車椅子で行き来するなら80センチ欲しいところですが、まあ気をつければ大丈夫です。

母は自立歩行はできませんので、広さを確保するため手すりはあえてつけませんでした。

天井近くの換気扇は、薪ストーブの暖気を取り込むためです。
ただ深く考えずに、台所用の換気扇を購入してつけましたら、稼働音が結構大きくて、ちょっとうるさい失敗でした。多分ユニットバスなんかに使われている低騒音のものなら良かったかと思っています。
吹き上げた天井を順一がワックス掛け。
リフォーム窓を取り付けているところです。
既存の窓はそのままに、内側にもう一つ窓を作り付けます。断熱効果をさらに高めるために復そうガラスにしました。
リフォーム窓の威力。
この日外は氷点下5度。リビングのシングルガラスは結露で外も見えません。
同じ日、同じ時刻、リフォーム窓を設置した部屋です。
天気の良い日には、エアコンをつけなくても日中は室温20度くらいまでなります。
ほかの部屋もリフォーム窓つけようかなと思っている今日この頃です。

今回のリフォームには、菊池市が「地域経済活力創出事業」という補助金制度を単年度で実施しているという情報がありましたので、その制度を利用しました。
県産材の利用促進、省エネルギー、ユニバーサルデザインなど、今回のリフォームでその制度に該当する工事部分費用の一割は、菊池市商工会加盟店で使える商品券で補助してもらえました。その商品券は、母の衣類やおやつのお菓子(笑)それにポータブルトイレの脱臭剤などの購入に充てています。