2011年9月25日日曜日

読書

21日くらいまで、台風の影響でお天気が優れず、その間久しぶりにはまって本を読みました。

一冊は、チバット人の歌手バイマーヤンジンさんの講演録。
私は一度コンサートとお話を伺っているので、その愉しい語り口が耳に残っており、読んでいると本の中の文章が自動的に大阪弁のヤンジンさんの声に変換されて入ってきます。笑
一時間くらいでさっと読めるし、ステージのヤンジンさんを思い出しながら、愉しい時間を過ごせました。ヤンジンさんの活動を応援したいと思われる方は、是非購入して応援して下さい。
もう一冊は、ダライラマの自伝です。
アマゾンの書評では、彼自身によって書かれた自伝とありましたので読んでみる気になりました。

最近チベット問題にからんだ事件が世界を騒がせているので、私も一つチベット仏教、ダライラマ、チベット問題について少しかじってみようかな〜何て思いまして。

で、読書と平行してインターネットでいろいろ調べてたら、ダライラマの称号の始まりとも言えるダライラマ5世関係の記述に行き当たりました。
ダライラマ5世という人は、ダライラマ4世の生まれ変わりであることを認定するテストでどれ一つとして正解することができなかったにもかかわらず、その時の政治的背景から5世に選ばれたのだというのです。それも5世自身が著した書物の中にある記述だとか。
面白いですね〜。

14世もこの本の中では、自分が13世の生まれ変わりであると絶対的な確証を持っているというような発言はしていません。
チベット仏教の高僧の中には、生まれ変わりにこだわることなく、その名前を継ぐにふさわしい仏の教えをおさめたものを選定するようにと言われている方もあるとか。

ダライラマ14世もこの本の中で、自分が正式に14世の地位に就くまでの20年間は、摂政によってすべてが取り仕切られていたが、その間に政治は腐敗しきっていたと回想しておられます。

でも、輪廻転生という事象はあるということは、ご自身の側近の方の例をとって身を以て感じているとも書いておられます。

私も輪廻転生はあると思って生きているし、最近は退行催眠なんかの技術をつかった方法で科学的にも証明されて来ているのではないでしょうか。

ただ、ダライラマという職にあった人が、必ずダライラマに生まれ変わるというのはちょっと無理があるのでは〜という感じですね。もしかしたら14世は5世の生まれ変わりではあるかも知れないけど。

でも誰の生まれ変わりでも、14世は、その職責を全うしようと誠心誠意努力されていると思います。

また、この自伝の中に書かれていた因果応報についての記述から、こんなことを考えました。
例えば犬を虐待していたような人は、今度はそんな虐待される犬に生まれ変わると。
ならば、チベット問題でいわれのない迫害を受けた人、受けていると思っている人は、もしかしたら前世ではいわれのない迫害をして来た人であるかもしれない。前世で犯した行いを今身を以て体感している。因果応報の教えからするとこんなこともありなんじゃないでしょうか?

そんな因果の糸車を止めることができるのは、愛とか許しとか慈悲とか呼ばれるものではないのかな〜と。
そしてまさにそれは仏の教えであり、この問題は仏から仏の教えを学ぶものに与えられた最大の試験なのではと考えたことでした。

折しも24日、ダライラマ14世がダライラマ15世の選定をどうするか、声明を出されたそうですね。
ダライラマ14世は、声明で15世の選定にあたっては、中国政府の関与があってはならないと言われた一方で、チベット仏教側もこれまでの習わしどおりに選定するのであれば、その選定方法は厳密に守られなければならないと言われたとか。中国政府にも、自らの側にも厳格な姿勢であると思います。
ダライラマ14世90歳まで後14年。どんなシナリオを描いておられるのでしょうか

0 件のコメント:

コメントを投稿